※導入済み自治体数と人口カバー率は、2024年6月1日より開始の自治体を含む
※人口カバー率は「R2国勢調査 都道府県・市区町村別主要統計表」で計算
※各自治体の登録数は、下記の【集計用Excelデータ】をご参照ください
※2023年調査の小田原市の件数は33件ではなく13件でしたので、エクセル上で修正しました
※2024年8月22日修正:高知県大月町が2024年1月から制度開始してましたので追加しました
【集計用Excelデータ】202406_partnership_data2.xlsx
【インフォグラフィックPDFデータ】20240628_infographic2_ND
2017年6月より開始した全国パートナーシップ制度登録件数調査は今年で8年目を迎えました。パートナーシップ制度を導入する自治体は急速に増えており、2024年6月には459自治体が導入し、2024年5月末時点の登録件数は7,351組になりました。
※2024年8月22日修正:高知県大月町が2024年1月から制度開始しておりましたので追加し修正しました
このデータは、ILGA World Database を参照して、認定NPO法人虹色ダイバーシティが日本語訳し、2024年6月までの同性間の関係に関する法律の状況をアップデートしたものになります。引用される場合は、引用元を明記してください。
婚姻の平等(同性婚の法制化)に賛同する企業を可視化するためのキャンペーン「Business for Marriage Equality」に、2024年6月4日時点で、506の企業・団体(従業員数合計2,058,000人以上)が賛同を表明しています。
結婚の平等(同性婚の法制化)が実現したら、日本で123,227組が新たに結婚する可能性があります
※国勢調査2020における未婚者の人数を基に、LGB人口を2.1%として、未婚率を異性カップルと同じと仮定して推計
※推計の詳細は下記の【Excelデータ】をご参照ください
性的指向と収入の関連性を探る研究に比べて、シスジェンダーとそれ以外の収入を統計的に比較する研究はまだまだ少ないです。アメリカで行われた結果を一般化できる無作為抽出調査によると、アメリカにおけるシスジェンダーの10.4%が年収150万円以下なのに対し、トランスジェンダーの16.1%が年収150万円以下です。また、オランダの政府統計を利用した性別移行の研究によると、トランス女性は性別移行に伴い賃金が減る一方でトランス男性にはそのような賃金の減少はみられないことがわかっています(女性ペナルティは7%、性別移行ペナルティは10%)。
2020年、新型コロナウイルスの感染拡大によりLGBTの生活も大きく影響を受けています。LGBTと職場環境に関するWebアンケート調査「niji VOICE 2020」によると、トランスジェンダー男性の28.4%、生まれが女性のXジェンダー等が29.1%、トランスジェンダー女性の44.6%、生まれが男性のXジェンダー等などの32.1%が、過去1年間に預金残高が1万円以下になった経験があると答えています。シスジェンダーでは、レズビアン17.8%、ゲイ21.8%、バイセクシュアル女性25.5%、バイセクシュアル男性37.1%が、同様の経験があると回答しています。
職場におけるLGBTの困難が可視化されるにつれ、LGBT施策を導入する企業が少しずつ増えてきています。厚生労働省委託事業の企業アンケート調査によると、LGBT施策のある企業は10.9%でした。ただし、従業員規模別にみると、大企業では4割超がLGBT施策を実施している一方で、中小企業ではなかなかLGBT施策の導入が進んでいない状況がわかります。
参照:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/0000088194_00001.html
職場で自分の考えや感情を気兼ねなく表現できる雰囲気がどの程度あるかという「心理的安全性」の概念が、「生産性」向上のために重要だと注目を集めています。LGBTと職場環境に関するWebアンケート調査「niji VOICE 2020」によると、職場にアライ(同盟者、支援者)がいるLGBTは、そうでないLGBTに比べて心理的安全性が高いです。とりわけ、職場にアライがいるかどうかわからないではなく、LGBTの人びとにはっきり「いる」と認識してもらうことが重要であると考えられます。
多くの企業において、労働者の離職にともなう経済的損失が大きいことはよく知られています。LGBTに関する職場環境アンケート2014によると、LGBTに関する差別的言動の多い職場に勤めている人はそうでない人に比べて、ここで働き続けたいという勤続意欲が低いという結果でした。図表は多変量解析と呼ばれ、年齢や雇用形態、収入や労働時間、やりがいや職場の人間関係など、勤続意欲に影響すると考えられる他の要因を考慮に入れてもなお、この傾向が見られることを示しています。差別的言動がLGBTの意欲に負の影響があることが分かります。
メンタルヘルス(心の健康)は、身体の健康とあわせて人々の日常生活に大きな影響を与えます。大阪市で行われた無作為抽出調査によると、メンタルヘルスの状態を測定する尺度のK6がもっとも高い区分である13-24点(深刻な心理的苦痛を感じている可能性)の割合がシスジェンダー・異性愛者は6.9%なのに対し、レズビアン・ゲイ・バイセクシュアルは16.1%、トランスジェンダーは18.8%でした。LGBTのメンタルヘルスはLGBTでない人よりも悪い傾向が見られます。
参照:http://www.ipss.go.jp/projects/j/SOGI/%EF%BC%8A20200111%E3%82%BB%E3%82%AF%E3%83%9E%E3%82%A4%E5%8C%BB%E7%99%82%E7%A6%8F%E7%A5%89%E6%95%99%E8%82%B2%E3%83%91%E3%83%8D%E3%83%AB.pdf
http://www.ipss.go.jp/projects/j/SOGI/index.asp
本来、LGBTの自殺・うつによる社会的損失は金銭に還元できるものではありません。その一方で、人権に基づくアプローチに加えてこういった試算値を算出することも、自殺・うつを防ぐためのLGBT施策導入に向けて有効であることは確かです。日本における人口比率や自殺率を用いて推計したところ、LGBTの自殺・うつによる社会的損失は1,988~5,521億円(うち、差別などLGBT固有の社会的困難によるものは994~4,186億円)となりました。
収入は人々の生活における経済的基盤であり、ジェンダーや人種・エスニシティなどに基づく格差・不平等を測定するために広く用いられています。これまでに英語で出版された性的指向と収入に関する学術研究を統合して分析した論文によると、レズビアンは異性愛女性と比べて収入が平均9%高く、ゲイ男性は異性愛男性と比べて収入が平均11%低いです。これらの現象はそれぞれ、レズビアンプレミアム、ゲイペナルティと呼ばれています。しかし、レズビアンの収入はゲイ男性より低く、ジェンダー不平等の大きさを表しています。
大阪市で行われた無作為抽出調査によると、大阪市民の0.7%がレズビアン・ゲイ、1.4%がバイセクシュアル、0.8%がアセクシュアル(無性愛者)、0.7%がトランスジェンダー、重複を取り除いた計3.3%がLGBTAと推定されています。「決めたくない・決めていない」を足すと8.2%になりますが、別の試験的調査では、「決めたくない・決めていない」選択者の22%〜54%は異性愛者である可能性が指摘されています。現在、日本全国でLGBTの割合を調べた学術的に信頼性のあるデータはまだ存在しません。広告代理店による8%等の割合は、ウェブ会社の登録モニタを対象とした調査による数値である点に留意する必要があります。
参照:http://osaka-chosa.jp/sogi.html
http://www.ipss.go.jp/projects/j/SOGI/index.asp
http://www.ipss.go.jp/projects/j/SOGI/20200701_Report_on_Undecided.pdf
職場で自分の考えや感情を気兼ねなく表現できる雰囲気がどの程度あるかという「心理的安全性」の概念が、「生産性」向上のために重要だと注目を集めています。LGBTと職場環境に関するWebアンケート調査「niji VOICE 2019」によると、LGBT施策の数が多い職場に勤めている人はそうでない人に比べて心理的安全性が高いです。現在、LGBT施策は主に大企業が実施していることから、企業規模の要因を考慮に入れてもこの傾向が見られるか、さらなる分析が求められます。
アメリカの人口の1.7%がレズビアン・ゲイ、3.3%がバイセクシュアル、0.39%がトランスジェンダーと推定されています(全国や州に結果を一般化できる無作為抽出調査による)。LGBTの人口割合に関しては、様々な調査方法があり、性的指向・性自認のあり方をどう定義し、たずねるかによっても回答が変わってきます。近年、特にバイセクシュアル、トランスジェンダーを自認する層が増えています。
参照:https://inequalitybyinteriordesign.wordpress.com/2019/04/12/2018-gss-update-on-the-u-s-lgb-population/
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